手短に決算ブログ

30分程度で1社1,000字を目安に、気になる企業の決算をざっくりまとめています。

Cyber Agent

サイバーエージェント、最近はAbemaTVの露出がすごいのですでに立派な収益源になっているのかなと思ったらまだまだメディア事業は赤字でしたね。

 

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とはいえ、直近四半期ではメディア事業(abema, タップルなど)がコロナを追い風に売上を伸ばしています。

営業利益はまだまだ投資フェーズなのか、赤字となっています。

 

すでにDL数は5,600万を突破していますが、はたしてAbemaの投資をいつまで続けるのか?

 

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abemaTVにはオリジナルコンテンツや独占配信が多く、これらへの投資が定期的にかかりますが、それを超える有料会員数を確保できたとき以降から黒字化していくということでしょうか。

 

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6月末時点での有料会員数は73万人。12月末までに100万人を目指すとのこと。

なお、有料会員は月額960円となっており、100万人を達成した場合、

960*12*100万=約120億円の売り上げが見込めることに。

 

ちなみに、最大のライバルNetflixは今年7月末時点で有料会員数が1.1億人にのぼったようです。

 

映画で勝負してもnetflix, amazonprimeには勝てないのでインターネットTV局という微妙に異なるポジションをとっているのは良いなと思いました。

 

 

イグニス

イグニスは佐藤裕介さんが上場させた会社ということ以外、あまり知らなかったのでこれを機に見ていきます。

 

有報によると、ネイティブアプリの開発会社で、課金収入がメインの収益源とのこと。マッチングアプリwithの運営なんですね。

 

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それにしても非常に不安定ですね。上場は2014年とのことですが、2期またいで営業黒字になったことはない模様。

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マッチングアプリのwithは直近四半期でも好調なの面白いですね。

売上11.1億円(YoY+44.5%)営利2.9億円(+44.0%)

 

自粛で孤独に耐えられない人で使ってるんでしょうね。どれくらい会ってるのかはわかりませんが。

 

 

 

ミクシィ

今後、比例縮尺財務諸表をみてコメントするルールにします。弱点なので。

 

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ミクシィといえばSNS→モンスト→みてねと徐々に主軸が移り変わってきた印象はあるものの、どうしてもミクシィが強すぎた頃を思い出して今では大したことないのでは?とか思ってしまいます。

 

しかしまずこの力強いBS。思いつく限り特徴を挙げてみると、

・現預金比率が高い

・無形資産がなく、特に買収の歴史はない?

・利益剰余金が占める割合が圧倒的に大きく、これまでの事業では利益を稼いできた

・それに伴い負債比率は非常に低い

 

次にPL。

・営業利益率が過去5年で3分の1にまで縮小している。これは主に販管費率増加の影響によるもの

 

そして2つを比較してみると、

・BSは膨らんでいるが、PLは縮小してきており、効率の良い経営ができなくなっている

 

 

ここまで把握した上でミクシイの四半期決算をみていきましょう。

 

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絶好調ですね。

 

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連結売上293億円のうち260億円はゲームセグメント(モンスト・コトダマン)で稼いでおり、見事に追い風。

 

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昨年から一気に買収が増え、のれんが増加しています。

 

たんまりためた現預金で買収をどんどん行い、モンスト一本体制から脱却したいといったところでしょうか。

 

ミクシィ時代から稼いだ金を上手く次につぎ込んできましたが、次も上手くいくかといったところ。

 

 

クックパッド

ぐるなび食べログなど、飲食関連事業が軒並み不調な決算期となっていますが、自粛期間でクックパッドはどのような決算になったのでしょうか。

 

売上-7%

営利-43%

純利-45%

 

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クックパッドの売上の90%は有料会員収入と広告収入からきており、とりわけ有料会員は67%を占めるメイン収入源となっています。

 

直感的に考えると、自粛期間でレシピサイトの需要は急増したように感じそうなものですが、前年から緩やかに減少していたものがこの特需でも回復せず。

 

競合の動画レシピサイトのクラシルは好調なようなので(ちゃんとしたユーザーの増加グラフは見つからなかったものの)、完全にレシピサイトは動画の時代にシフトしていると言えるのではないでしょうか。

 

 

コロプラ

コロプラの決算でました。

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素晴らしい決算ですね。

 

コロプラの事業はソーシャルゲームが大部分を占めるので、巣篭もり需要を追い風にした決算といったところ。

 

 

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コロプラの収益は主にゲーム内課金と広告収入となっており、いかにヒットタイトルを自社および協業で出せるかが最も重要なポイント。

 

そもそも面白いゲームでユーザーを維持獲得しないと広告も集まらないので、なによりもゲームの開発・運用が大事。

 

代表作の白猫PJは2014年の作品ですが、今期になって鬼滅の刃とコラボをするなどして新鮮さを保とうとしています。

 

事業の性格上、高打率でヒットタイトルを作ることができる人材の確保が大事になってくるように思えますが、実際この四半期にはゲーム開発会社のMAGES. を買収しています。

https://www.famitsu.com/news/202003/30195656.html

 

事業上のメリットはもちろん、アクハイア的な要素も強そうです。

 

コロプラのBSは流動資産が多く現金も豊富なのが特徴的です。

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コロナで立ち行かなくなっている開発会社のM&Aを今後進めていくという計画は十分考えてそうですね。

 

 

 

 

 

ユナイテッド

ユナイテッドの事業は主に4つ。

 

アドテク、ゲーム、コンテンツ、投資です。

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過去5年のセグメント別収益をみていると、メディアで安定的に稼いで、ときおり投資益が急激に増えることがあるみたいで、安易に前年度との比較がしづらいですね。

 

2019,2020の営業利益は投資にかなり支えられたみたいで、安定しているわけではないのか?

 

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おおむね事業内容を把握したところで四半期決算を見ていく。

 

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絶好調の決算ですね。

 

何がドライバーになっているのか見ていきましょう。

 

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と思ってたら、「インベストメント事業除く」の記載がありました。親切なIRですね。

 

しかし投資を除外すると営業赤字に転落しています。

 

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なるほど、ユナイテッドがメルカリへの投資で莫大な含み益を持っているのは知っていましたがまだ3%程度保有してるんですね。

 

メルカリの業績が向上していく見通しがある限りは一気に売るようなことはしないわけですね。実際、一気に持分を売却しなかったことでコロナ禍を追い風にしたメルカリの追い風を受けた大幅営業利益アップでした。

 

さて未上場株式を50社ほど持ってるとのことですがPFを確認。

 

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LP出資も25本以上行っているとのことですが、日本の有名なVCには大体出資してますね。これを見る限りだとDCMとかは入ってないのか。

 

DCMは元々米国のファンドであることを考えれば当然でしたね。

 

さてセグメント別に詳しく見ていく。

 

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粗利率:DX33%、投資99%、アド23%、コンテンツ40%

営利率:DXN/A、投資98%、アド15%、コンテンツN/A%

 

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アド事業は減収増益なんですね。どの領域の広告を担当してるんだろうか。ソウルドアウト は地方のSMBをメインターゲットにしていたことで今回は影響が少なかったので。

 

→広告代理店事業は多分してなくて、広告プラットフォーム事業(データ管理など)を行ってる。あくまでアドテクノロジー

 

 

DeNA

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売上は減少するも、利益項目がとんでもなく増加しています。

 

どうも営業利益に今四半期からSHOWROOMの収益が反映されているっぽい?

 

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確認してみたらその通りでした。

 

https://japan.cnet.com/article/35156270/

 

今年の7月に、DeNA保有するSHOWROOM株式の一部譲渡を行ったと発表。この株式譲渡により、SHOWROOMDeNA連結子会社から外れ、持分法適用会社となる

 

つまりSHOWROOM が持分法適用会社になったから営業利益が爆増したのではないね。むしろ連結決算に現れる絶対額としては減るはず。

 

なのでSHOWROOMなどがシンプルに追い風を受けた決算になったということか。

 

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え、IFRSって営業利益のなかに特別損益が含まれるのか......本当に日本基準とIFRSは純粋な比較ができないですね...

 

球団事業以外は追い風を受けた、そして何より、7月に売ったSHOWROOM株の売却益を営業利益に計上してるから爆増してる。来期以降はこんなことにはならないはず。