手短に決算ブログ

30分程度で1社1,000字を目安に、気になる企業の決算をざっくりまとめています。

ロコガイド

カカクコムやクックパッドの社長を歴任してきた穐田 誉輝さんが創業した、オンラインの販促プラットフォーム「トクバイ」運営のロコガイド。

 

2020年6月にマザーズに上場をしたばかりなので主な資料は有報のみですが、気になったポイントをいくつか抽出していきます。

 

まず主な事業内容。

 

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オフラインの折り込みチラシをスマホUIに最適化してオンラインに集約したのがトクバイ。

 

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店舗の網羅性も高く、ユーザーは地元のスーパーを検索すれば安く買い物できる一方で、導入店舗は販促につながるという仕組み。

 

ある商品をより安く買えるという金銭的インセンティブは強力なもので、新聞折り込みチラシなんて見なくなったこのご時世にスマホで見れるのはユーザーフレンドリー。

 

また導入する小売店にとっても、従来の折り込みチラシはコストの割に集客できなかったとの声があります。折り込みチラシの場合は効果測定ができないのも難点です。

 

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トクバイは元々クックパッド内のサービスとして始まったので最初から一定以上のユーザー数がいましたが、順調に伸び続けて今年3月末時点で1,000万人超え。

 

有料契約店舗もおおむね順調に右肩上がりです。

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ちなみに有料と無料の機能の違いは以下の通り。

 

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スマホ一台あればすぐに導入できるという簡単さも導入企業数の増加に寄与しています。

 

・クーポンサイトとは違うのか?

 

クーポンという仕組みはクーポンを見せた客のみ値引きするのに対して、チラシというのは見ても見ていなくても店で買えばその値段で買えるという違いがあります。

 

クーポンは管理が大変。オンラインクーポンを導入できない地方の小売店は多いし、紙のクーポンを作ったとしてもしっかり計算しないと収益の帳尻が合わなくなります。

 

そう考えると、大手スーパーから地方の八百屋まで様々な規模の小売店に導入するならチラシサイトの方が合理的な気はしますね。

 

・コスト構造

 

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粗利率が92%で営利率が24%程度となっていますが、これを見る限り給料及び手当という固定費が相対的に重くのしかかっている模様。

 

折り込みチラシが減っていく中でオンラインの折り込みチラシというポジションを確立しているトクバイを導入する店舗が増えるのは当然の流れ。

 

小規模店舗には地道な営業が欠かせないでしょうが、徐々に固定費率が下がって営業利益率も上昇していくのではないでしょうか。